レーシック手術は主に近視を治す手術ですが、年令を重ねるとともに白内障が増えてきます。レーシック手術をして近視を回復しても、白内障にならない訳ではありません。
誰でもなる可能性がある「白内障」に関する予備知識も必要なのではないでしょうか。
■白内障治療に新レンズ
60代で7割の人がなるといわれる白内障に治療で、近くも遠くも見える多焦点眼内レンズが登場し、全国の病院でも手術を受けられるようになってきました。
視力が回復してメガネが不要となるケースもあります。ただ、すべての人に適しているわけではなく、従来の眼内レンズを使った方が良い場合もあります。
白内障は眼のレンズに当たる水晶体が濁る病気。進行すると目がかすみ、視力が低下する。通常は両目とも濁る人が多い。
治療は基本的に手術しかなく、濁った水晶体を摘出して人工眼内レンズに入れ替える。
手術は角膜(または強膜)に3ミリほどの隙間を開けて白内障の部分を除去、直径6ミリの眼内レンズを挿入する。15分から20分ほどで済み、日帰りで行う病院も多い。ただ、これまでのレンズは単焦点で、近くか、遠くにしかピントが合わず、メガネを手放せなかった。
それを解消しようと生まれたのが多焦点眼内レンズだ。1枚のレンズに遠距離。近距離の両方に焦点が合うように設計されている。
メーカーによりレンズの構造が違い、遠近2か所にピントが合うものと、遠方と中間領域に合うものがある。
北大医学部非常勤講師で、年間600件以上の白内障手術を手がける大橋眼科(札幌市白石区)の大橋勉院長は「多焦点眼内レンズは白内障を手掛ける医師なら誰でも出来るが、レンズが複雑になっている分、瞳孔の大きさや乱視の程度など患者ごとの症例を見極めることが重要」と指摘。「レンズを正確に挿入し、術後の屈折誤差を最小限にする技術が求められる」と話す。
術後は見え方に慣れるまで数カ月かかる人もおり、夜間の車のライトを見るとまぶしく感じたり、暗い場所ではくっきり感が落ちることがある。
製造会社によると多焦点眼内レンズは遠視や強度の近視の人に向いている。反面、見え方にシャープ感がないため、神経質な人や、夜間の車の運転を職業とする人には向かない。
治療は保険外(大橋眼科の場合は片眼40万円)のため、保険適用されている単焦点眼内レンズ(3割負担で片眼5万6000円)と比べてかなり割高。始まったばかりなため、どの病院でも症例は少ない。
大橋院長は「多焦点眼内レンズを入れている人は米国でも5%程度。満足感は人それぞれで、挿入後もメガネが必要なこともある。主治医とじっくり話し合い、使うかどうか決めた方が良い」と助言している。


